先端プラットフォーム技術開発部門
部門概要
ブレイクスルーを生み出すプラットフォーム技術の開発と提供
未来の生命科学のプラットフォームとなるような基盤技術群の開発と、その応用展開によるイノベーションの駆動を目指しています。
バイオの設計図を書き換えるゲノム編集技術やゲノム合成技術、生物の代謝物を一斉に分析するメタボローム解析、液中環境での世界最高の力分解能を発揮する原子間力顕微鏡による界面力学応答計測、これらの技術に加えて情報解析技術とオートメーションにより統合化されたハイスループットな生命設計を実現するバイオファウンドリーなど、様々な先端技術基盤の構築と提供を進めています。
研究グループ
先端計測研究グループ
- 液中環境において世界最高の力分解能(10ピコニュートン)を発揮する原子間力顕微鏡(FM-AFM)を駆使してソフトマテリアルと液体が接する界面の力学応答を計測評価する研究を進めています。ソフトマテリアルの表面構造ばかりでなく、これに接する液体の密度分布を可視化する技術をバイオベース材料や潤滑剤の開発へ活かしていきます。
- 超高速時間分解蛍光分光法を用いて、光合成色素系の機能評価に取り組んでいます。
- プラスチック表面に存在する微量官能基を水中で定量する方法を開発しています。
- テラヘルツ帯の振動分光測定と量子化学計算をもちいて、分子間相互作用や高分子のゆっくりした振動運動を解析しています。
メンバー
大西洋 教授、富永圭介 教授、丸山達生 教授、秋本誠志 准教授
ゲノム編集研究グループ
- 神戸大で開発された「切らないゲノム編集技術」を中心に、ゲノムをより安全に効率よく改変操作する技術群の開発と改良に取り組んでいます。
- 世界的な気候変動への対応と持続可能な社会を実現すべく、ゲノム編集技術と細胞培養技術を組み合わせて、高速かつ安全で高効率な育種技術および植物と微生物による物質生産技術の開発を進めています。
- 疾患メカニズムの解明から創薬支援、バイオ医薬品の生産、また遺伝子治療に至るまで、ゲノムを高度に操作する技術の医学分野における応用に取り組んでいます。
メンバー
西田敬二 教授、NGUYEN Sao Mai特命助手、MENTION Karen Valene Josiane特命助手
ゲノム合成研究グループ
合成生物学や代謝工学の実現に不可欠な、デザインされたゲノムDNAを合成する技術の開発を行っています。
神戸大学の独自技術である、枯草菌を用いた長鎖DNA合成法のOGAB法を基盤技術とし、DNAの化学合成から長鎖DNAの合成・精製までの一連のプロセスの自動化を図ることで、どのような合成困難な配列を持つ長鎖DNAでも、低コストで、短期間に、ハイスループットに取得する技術の開発に取り組んでいます。
メンバー
柘植謙爾 客員准教授
バイオファウンドリー研究グループ
代謝経路設計・酵素選定・遺伝子配列設計を行う情報解析技術、ハイスループットなDNA合成技術・遺伝子組換え技術・ゲノム編集技術、合成生物学技術、メタボローム解析等の先端計測技術を集積したデジタル×バイオ×ロボティクスのプラットフォーム構築を進めています。
Dry(情報技術)とWet(バイオ技術)の要素技術を最適に組合わせ、汎用的なスマートセル構築技術の開発に取り組んでいます。
メンバー
近藤昭彦 教授、蓮沼誠久 教授、石井純 准教授、柘植謙爾 客員准教授、冨永将大 特命助教
※近藤昭彦教授、蓮沼誠久教授、石井純准教授の紹介はメンバーページのバイオベース燃料・化学品研究部門をご覧ください。
先端メタボロミクス研究グループ
細胞に含まれる代謝物を一斉に分析するメタボローム解析を用いると、細胞の特徴や状態を把握することができます。神戸大学では、メタボローム解析を用いることでバイオプロダクションの生産性に関わる代謝物質の特定や、優良細胞の選抜、培養条件の最適化を実現しています。
また、実験の再現性に影響を及ぼす前処理工程を自動化するためのロボティクス、高いSN比で幅広い分子種への対応が可能なLC-MS/MS分析技術の開発、CE-TOFMSを用いた代謝ターンオーバー解析技術の開発、GC-MSによる代謝フィンガープリンティング、ユーザーフレンドリーなデータ処理技術の開発等にも取り組んでいます。
メンバー
蓮沼誠久 教授、加藤悠一 特命助教、田中謙也 特命助教
※蓮沼誠久教授、加藤悠一特命助教の紹介はメンバーページのバイオベース燃料・化学品研究部門をご覧ください。