センター長挨拶

センター長挨拶

先端バイオ工学によるイノベーションの創出をめざして

SDGsやパリ協定の採択等を経て「持続可能な経済成長」と「社会的課題の解決」の両立に資するバイオエコノミーの推進が主要国の国家戦略として位置づけられています。気候変動問題や海洋プラスチックごみ問題、パンデミックのリスク等、地球規模課題が現実の脅威となる中、バイオテクノロジーやバイオマス(再生可能な生物資源)を利用した循環型経済社会の構築や、それがもたらす価値に対し、世界的な期待が高まっています。

ここ数年、バイオ市場は飛躍的に拡大しており、その背景にはバイオテクノロジーの急速な進歩があります。加えて、ゲノム解析の高速化や、オートメーションおよび人工知能のバイオ分野への適用が進み、要素技術を融合したEngineering Biology(先端バイオ工学/合成生物学)が体系化されつつあることで、技術開発のブレイクスルーが世界中で沸き起こっています。こうしたバイオとデジタルの融合は生命現象の解明や生物機能の理解を進めるだけでなく、バイオものづくりをはじめ、多くの産業応用にも波及しています。

神戸大学先端バイオ工学研究センターは、神戸大学の強みと特色を生かし、先端バイオ工学という先端融合領域における新たな学術分野の開拓推進を行うとともに、イノベーションの創出を目指す国内唯一の研究センターとして、2018年7月1日に設立されました。

本センターは工学研究科、農学研究科、理学研究科、科学技術イノベーション研究科の教員が結集し、先端バイオ工学に関する先鋭的かつ独創的な研究を展開してきました。さらにはそれを唯一無二の研究開発プラットフォームに発展させ、他機関との連携、産官学連携、国際連携にもつなげてきました。

これからも、先端バイオ工学研究のさらなる推進に加え、ハード(研究スペースや機器)とソフト(研究者や知財)を整備したイノベーションハブとしての機能を果たすだけでなく、将来に向けた人材育成にも積極的に取り組むことで、バイオエコノミーを牽引し、国や社会の要請に応えてまいります。

皆様のあたたかいご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

先端バイオ工学研究センター長 蓮沼 誠久

先端バイオ工学研究センター長
蓮沼 誠久

イノベーションを創出し、バイオエコノミーを牽引する。