先端分析評価・プロセス部門

部門概要

先端分析評価・プロセス部門

シームレスなバイオリファイナリープロセス構築を目指す

物質生産を最適化する化学プロセス及びバイオプロセスに取り組んでいます。化学プロセスにおいては、バイオマスの熱・化学変換による高付加価値成分の選択的成分変換を目指します。バイオプロセスにおいては、微生物の発酵に必要とされる化学工学的要素技術である混合特性や物質移動の解析を、実験と理論の両面から推進します。また、発酵産物の精製に必要とされる膜分離技術に関しても検討を行います。そして、最終的にはこれらの要素技術を統合化し、シームレスなバイオリファイナリープロセス構築を目指します。
更には、バイオプロセス研究の基盤となる評価技術に関しても研究を推進します。具体的には、液中環境での世界最高の力分解能を発揮する原子間力顕微鏡による界面力学応答計測などを分子レベルでの評価基盤を構築します。

研究分野

オミクス解析/先端計測分野

未来の生命科学のプラットフォームとなるような基盤技術の開発と、その応用展開によるイノベーションの駆動を目指しています。例えば、細胞に含まれる代謝物を一斉に分析するメタボローム解析を用いると、細胞の特徴や状態を把握することができます。神戸大学では、メタボローム解析を用いることでバイオプロダクションの生産性に関わる代謝物質の特定や、優良細胞の選抜、培養条件の最適化を実現しています。また、フェムト秒レーザーを基盤とした分光法、超短パルスレーザーを光源とした分光法等、先端分光技術の革新を進めています。加えて、細胞育種や酵素開発に資する高速ハイスループット評価技術の開発にも取り組んでいます。

メンバー

富永圭介 教授、立川貴士 教授、秋本誠志 准教授、田中謙也 特命助教、竹田昂司 特命助教、堀良美 特命助手、松田真実 特命助手、吉田崇伸 特命助手

バイオ/生産プロセス分野

バイオマス前処理物から有用物質をバイオ生産する際のプロセスの検討、スケールアップの検討を行います。バイオマス前処理物にはリグニンや発酵阻害物が含まれ、セルロース画分が固体化していることがあります。攪拌、発酵制御を含め、実用化に適したバイオリアクターの開発に取り組みます。一方で、油脂からの酵素法による燃料生産に関しても、実バイオマスを念頭に置いた効率的バイオプロセスの開発を進めていきます。

メンバー

大村直人 教授、森敦紀 教授、勝田知尚 准教授

化学プロセス/膜分離分野

バイオマスの有効利用には生物学的変換の外に、熱化学的な変換が考えられております。特にバイオマス中のリグニン成分の有効利用には、生物変換に限定しない広い範囲の技術の探索が求められます。本分野ではバイオマスの特性を評価しながら、その成分分離や、リグニン成分の有効利用に向けた熱的変換を目指します。特に水素還元などの技術をベースにバイオオイルの効率的生産に関する研究を推進します。触媒による糖類の化学変換による新しい価値創造も目指します。バイオマスの構造解析も進めます。また、最終製品を得るためには、バイオリアクターで生産された有用物質を低コストかつシンプルなプロセスで分離精製を行う必要があります。本分野では神戸大学独自の「膜分離」を用いて、微生物と培養液の分離および目的物質の培養液から分離精製における革新的な技術を提供しています。本グループが有する多くの知見をもとに、バイオプロダクションの有効な膜分離精製技術の開発が可能です。目的可能物 の分離機能や透過特性を有する膜をテーラーメイドに作製する「統合的膜工学」の確立を目指します。

メンバー

林昌彦 教授、丸山達生 教授、西野孝 教授、中川敬三 准教授、神尾英治 准教授、森裕太郎 助教

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